バフェットが率いるバークシャー・ハザウェイ(Berkshire Hathaway).
その売買動向は,米国株投資家にとって大きな関心事の一つです.
2017年に入ると,IBM株を3分の1売却しており,更に売却を進めるのか,それとも維持するのかが注目されていました.
今回明らかになった2017年Q3の報告では,さらにIBM株の売却を進めていて,持ち株はピーク時の3分の1となりました.
C55は以前の記事で,「バフェットは今後もIBM株のポジション調整を進める」に一票を投じていましたが,正解だったようです.
IBM株
今回売却されたのは,
17,057,975株
保有していた分の,31.54%を売却
Berkshireが保有するIBM株の平均価額:
145ドル
この3ヶ月間の株価推移を見ると,BerkshireはIBMを損切りに近い株価で売却していることになります.
完全に見限りましたね.
Berkshireが保有するIBM株
2017年1Q~3Qにかけての売却によって,Berkshireが保有するIBM株は,
37,026,698株
ポートフォリオの3.02%
保有順では,8位
まだ 3,700万株の売り圧力があります.
他の銘柄の動向
今回報告されたBerkshireのポートフォリオ上位20銘柄と,その売買動向,保有する平均株価です.
前回ウェルズファーゴ(WFC)が売却され,度重なる不祥事でバフェットに見限られたのかもしれない,注意が必要,としました.
今回もわずかながら売られていますが,ポジション調整の一環であったと思われます.
注目すべきは,バンカメ(BAC)がいきなり現れたことです.
実際には新株予約権を行使したようで.もともと7億株分のワラントを保有していて,そのうち2,100万株を売却したあとの数字です.
Berkshireは,以前よりfinancialsのウエートは高めで,セクター別ポートフォリオでは40%.1位です.
今回,BACの他にもShynchrony Financials (SYF)も19%ほど増やしています.
Q2では,Bank of New York (BK)も買い進めています.
景気循環とセクターローテーションを考えてみると,金融株を増やしているということは,バフェットはまだまだ景気の拡大が続くと考えているのでしょうか?
FRBの利上げで投資戦略はどう変更されるべきか? - Market Hack
そういえばハイテクに分類されるアップル(APPL)を今回も買い増ししていますね.
まとめ
バフェットはIBM株を損切りに近い価格で更に売却しています.
完全に見限ったと思われます.
BACの新株予約権を行使したという特殊要因はありますが,セクターローテーションを元に考えると,まだまだ景気の拡大が続くと考えているのかもしれません.
BACの今後の動向に注目です.