ロウズ・カンパニー(LOW)は,日本でいうところのホームセンター事業で全米第2位の企業です.
全米首位のホーム・デポ(HD)と比べると,事業規模,知名度ともに地味な存在ですが,53年連続増配の配当王であり,インカムゲインを目的とした投資を行う際には,一考すべき銘柄です.
2018年1月には最高値 108ドルまで株価が上昇していましたが,2月に入ると残念な決算と,相場環境の悪化などで,82ドル程度まで株価は下落し,低迷していました.
C55の妻の口座で保有するLOW株も一時期マイナス20%近い評価損となっていましたが,昨日,株価は大幅に上昇.
原因を探ってみると,あの物言う株主が絡んでいました.
ロウズ・カンパニー(LOW)
LOWは,ホーム・デポに次ぐ,全米第2位のホームセンターを展開する企業です.
地味ではありますが,以下のような魅力があります.
- 53年連続増配の配当王
- 30年間の平均増配率 17.6%
- この5年間の平均増配率 20%
- 配当性向 35%
- だけど配当利回り 1.9%
特に強調すべき点は,30年平均増配率が17%もあるのにもかかわらず,配当利回りが 2%弱しかないことです.
この理由は,株価の長期チャートを見ればあきらかです.
直近10年の株価チャートを示します.
この10年で株価は順調に上昇し,約5倍強まで上昇しています.
配当の増配とともに株価も成長しているため,17%の平均増配を行っても配当利回りは1.9%しかない.
つまり,インカムゲインとキャピタルゲインの両方が望める,長期保有に適した銘柄といえます.
物言う株主
2018年1月末から,相場環境の悪化や決算に対する失望などの理由で,株価は20%近く暴落し,その後低迷していました.
しかし,2018年5月22日と23日(現地時間)に突然株価は暴騰しました.
前日の終値 85ドル付近から 94ドル付近まで,10%を越える大幅な上昇です.
原因を探ると,あの物言う株主として有名なBill Ackmanが率いるPershing Squareが, $1 billion(10億ドル)分のLOW株を購入していたことが明らかになったためでした.
役員を送り込んで,経営権をにぎるのが常套手段ですが,今回アックマンはLOWに対して役員を送り込まないようです.
しかし,LOWの新しいCEOにMarvin Ellisonを,JCPenny (JCP) から迎い入れることを,アックマンが後押ししていたようです.
Marvin Ellisonは,ターゲット(TGT)で15年,その後LOWのライバルであるホーム・デポ(HD)で12年勤め,その間2008年から2014年までexecutive vice presidentを勤めていました.
まさに小売業界のスペシャリストです.
LOWの株価が上昇する一方で,Marvin Ellisonを引き抜かれたJCPennyの株価は大幅に下落,その影響力の大きさを物語っています.
Bill Ackman $1 billion bet on Lowe's
LOWの将来
アックマン率いるパーシング・スクエア・キャピタル・マネジメントといえば,カナダの医薬品メーカー,バリアントへの投資失敗で,40億ドルもの損失をだしたことで有名です.
この件に関しては,アックマンもかなり反省したようです.
最近では,ナイキ(NKE)株を平均52ドルで購入し,32%上昇した時点で売り抜け,1億ドルの利益を得ました.
物言う株主アックマン氏、米ナイキ株で約105億円の売却益 - Bloomberg
LOWに関してどの程度の期間保有するかは不明ですが,株価が低迷していた85ドル付近で仕込んでいたとして,もし今回も30%程度の上昇で売る抜けるつもりならば,株価110ドル前後が一つの目安となるかもしれません.
アックマンが売り抜けた後も NKEの株価は上昇しており,ハゲタカファンドにシャブリ尽くされペンペン草も生えない状況とは,ならなさそうです.
まとめ
このところ株価が低迷していたロウズ・カンパニー(LOW)が,物言う株主の登場で株価が暴騰しました.
有能なCEOを招き入れるなど,ポジティブに捉えたいと思います.
わずか 70株しか保有していませんが,連続増配の恩恵を受けつつ,長期保有したいと思います.
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