PFFを「勝手に転がる雪だるま」にする方法
毎月分配金が入り,利回りも5%を超えることで人気のiShares米国優先株ETF(PFF),皆さんのポートフォリオにも含まれているのではないかと思います.
金融関係が80%を占めるため,○○ショックには弱いと思われがちですが,意外とリーマンショック以降の○○ショック時には株価が動じない安定感をもっています.
先日の記事でも示したように,構成銘柄の1位であるWells Fargo & Company Series Lであっても全体の3%程度の割合であり,292銘柄への投資で分散が効いているためでしょうか?
もしくは配当利率が下支えになっているのでしょうか?
理由は良くわかりませんが,言われているほど危険ではないのでは? と思っています.
自分で「なんちゃってPFFを組んでみる」ことは,楽天証券で取引をしているC55としては断念しましたが,新たな仕組みができないか考えたところ,こんな考えが浮かんできました.
- 「PPFの分配金でPFFを追加購入する」ことで自己増殖し,「勝手にころがる雪だるま」を作るにはどうしたらいいか?
検証してみました.
勝手にころがる雪だるまPFF
高速増殖炉もんじゅ
突然ですが,皆さんは「もんじゅ」をご存じですか?
理論上,MOX燃料(プルトニウムとウランの混合酸化物)を用いることで,消費した量以上の燃料が生み出すことができる高速増殖炉です.
運転が始まれば,どんどん燃料(プルトニウム)が増えていくという,「夢」の技術でした.
理論と実用は別物で,兆の桁の費用(税金)を投入したのにも関わらず結局実用化できず,さらにはナトリウム漏れなど度重なる事故とそれを隠蔽した体質,維持するにも巨額の費用がかかることなどの理由で,2016年12月に廃炉となることが正式に決定しました.
もし商用利用できるところまで持って行けたなら,すごいことになっていたのでしょうが,「悪夢」で終わってしまいました.残念です.
高速増殖炉とPFFの関係は?
何の関係もございません.
しかし,株式投資で配当をその株の購入に回し,株数を増やし,配当を増やし,株数を増やしのサイクルを無限に続けられるとしたら?
さらにこれを年単位でなく月単位で高速に繰り返すことができたならば?
まさしく株の高速増殖炉じゃね? と思いました.
株式投資家の間では,高速増殖炉よりも,「雪だるま式」の方がなじみが深いと思うので,「勝手にころがる雪だるま」と名付けてみました.
なぜPFFなのか?
毎月分配金が振り込まれ,かつ高配当なためです.
AT&TやVerizon,HSBCなど5%程度の配当利率の株ではダメなのか?
4半期配当であること,株式であるため購入手数料がかかり,少額で高速に回すには効率が悪いため,株は適していません.
もちろん,他で得た配当を単純にPFF購入に回せばいいだけの話なのですが,あくまでも「PPFの分配金でPFFを追加購入する」ことで自己増殖し,勝手にころがる雪だるまが作れないか?という仮説に基づいての検証ですので,ご理解ください.
NISAでの購入が絶対条件
分配金での追加PFF購入は,NISA口座での運用が絶対条件となります.
手数料がかかると手数料負けしてしまいます.
以前まとめた記事のように,米国ETFの購入手数料が無料になるのは,楽天証券では成人NISAのみ,マネックスとSBIでは成人,ジュニアともNISAでは0円となっています.
ご自身の口座をお確かめください.
ただし,原資となる分配金を生み出すPFFは特定口座でも,NISAでもどちらでもかまいません.
もちろん国内非課税となるNISAが理想的ですが,限度額の問題もありますので・・・.
PFF 1回の分配金は?
分配金は年初に多く,毎回一定ではありませんが,この5年間の年間分配金は下図の様に推移しています.
平均で1年2.3ドルと考え,単純に12ヶ月で割ると
1月 0.19ドルとなります.
これには税金が引かれていないので,
まず10%の国外源泉徴収がかかり
0.19 × 0.9= 0,171 ドルになります.
NISAであれば0.171 ドルが振り込まれますし,特定口座であればさらに20%(復興税は簡略化のため省略します)引かれ
0.171 ×0.8 =0.137 ドルの振り込みになります.
N:0.191 ドル
特:0.153 ドル
PFFの株価は?
37ドルから40ドルのレンジで上下しています.ここでの計算は1株40ドルとします.
1回の分配金で1株追加購入するには?
1回の分配金で新たにPFFを1株購入するために必要な株数,言い方をかえると,1回あたり40ドルの分配金をいただくためにはPFFを何株保有していなければならないか? となります.
N:40 ÷ 0.191 = 209
特:40 ÷0.153= 261
NISA口座だけでは,約210株
特定口座だけであれば,262株
これだけ保有していれば,1回あたりの分配金は40ドルを超える計算となります.
どれくらいの投資額が必要か?
NISAなら 40ドル×210株=8,400ドル
特定口座なら 40ドル×262株=10,480ドル
1ドル110円で計算すると
NISAなら 8,400ドル × 110円= 924,000 円
特定口座なら 10,480ドル × 110円=1,152,800円
年間の株式増加は?
月1回1株増えるので,年間では12株増えます.
初期の株数が210株であれば,5.7%
初期の株数が262株であれば,4.6%
増えることになります.これは1年目の数字です.2年目以降は分母となる株数が12株ふえているので,株数の増加率は若干減ってきます.
増配率は?
毎月株数が増えるので,分配金は毎月増えていくことになります.
分配金の増加を増配と見なして考えます.
年間で4.6〜5.7%株数が増えることになるので,年間の配当が毎年一定だったと仮定すると,増配率は4.7〜5.7%となります.
もちろん毎月毎月株数が増えているので,分配金の増加率はもう少し高くなると思います.
小括
長くなったので一度まとめます.
- NISAのみで210株,特定口座のみで262株のPFFを保有すれば,1回あたりの分配金は40ドルを超える.
- 1回あたりの分配金が40ドルを超えればPFFを新たに1株購入できる.
- 購入には手数料がかかるが,例えク○楽天証券であっても,NISA口座で追加購入すれば購入手数料は0円となり,一回あたりの投資額がたった40ドルでも手数料負けしない.
- 毎月あらたにPFFを購入していけば,年間で12株増え,株数の増加率は5%程度.分配金の増加を増配として考えると,5%以上の増配率となる.
「勝手にころがる雪だるま」できるでしょうか?
注:仮定の話ですので,結果にはコミットできません.自己責任でお願いします.
ーブロガーのみなさまー
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