40代の資産運用,投資ブログ 

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高くなればOKなのか? Yield on Cost (YOC)

連続増配株への長期投資の最大の魅力は,放っておいてもYield on Costがドンドン上がっていくことだと思います.

 

このYOCに関しては,くうねるさんがネタを提供してくれ,それに呼応する形で多くのブロガーの方が,ブログやtwitter上で公開されています.その数字を眺めながら「おお,すげぇ!」と連続増配株への長期投資の凄さを再認識しました. 

ゴミ投資家の米国株長期投資ブログ ~シーゲル教授の教えに従って~: YOC、それは配当成長投資家にとって魅惑の指標

 

YOCに関して,自分の勉強の意味も含めて再確認と,自分のYOCを計算してみました.

 

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Yield on Cost (YOC)

YOCの求め方

その年に得られた(得られる予定の)配当金を,株を取得するためにかかった費用で割り,それに100をかければ計算できます.

 

しかし,現実的には取引や精算のたびに為替の影響,手数料がでてくるので,厳密な数字を求めるのは大変です.

ですので,ざっくりとした数字で我慢するのが得策です.

 

ざっくりとした数字の計算式です.

 

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ポートフォリオ全体でのYOC

上の段の式を円で計算してみてはいかがでしょうか?

 

 株を取得するためにかかった費用=これまで証券会社に振り込んだ金額 

 

と置き換えてみればいいと思います.

 

 個別の株でのYOC

C55の保有する株の一部で例を示します.楽天証券では平均取得価格(ドル)を計算してくれています.

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KMIの場合

平均取得価額 14.79 ドル

配当額    0.50 ドル

YOC        3.38 %

現在の株価 19.37 ドルでの配当利回り 2.56 %

 

JNJの場合

平均取得価額 87.68 ドル

配当額    3.36  ドル

YOC        3.83  %

現在の株価 126.67 ドルでの配当利回り 2.64 %

 

KOの場合

平均取得価額 38.61ドル

配当額     1.48 ドル

YOC        3.83  %

現在の株価 45.03 ドルでの配当利回り 3.35 %

 

税金を引いた配当額で計算すれば,実質YOCが計算できます.

 

YOCは高くなればいいのか?

YOCが高くなれば,支払った金額に対しての配当リターンが大きくなることを意味しますので高くなることはいいことですし,連続増配株への投資の醍醐味となります.

 

しかし,配当の再投資や新規投資資金を注入するなどして株式を追加購入し,資産を増やしてく途中では,YOCが高くなることがいつも正義とは限りません.

例を示していきます.

 

まあまあ良い例

資産形成を行っていく中で,連続増配しつつ株価も上昇してくれるのが一番うれしいです.

 

配当の増配率に株価の上昇もついて行けば,キャピタルゲインもインカムゲインも得られることになるので,望ましい状況です.

 

しかし,この状況でYOCが高くなるということは,株価の上昇率が配当の増配率を下回っているということなので,両手放しでは喜べません.

 

ふつうの例

ある時購入して以後,追加購入しなければ,分母である平均購入額は変わらず,分子である配当金は連続増配で増えていくためYOCはドンドン高くなります.

これが連続増配株への長期投資の醍醐味ではあります. 

 

くうねるさんが示されたように,10年前にJNJを購入していれば,YOCは5%を超えている!  ということになります.

 

しかし配当金を再投資し複利効果を得るという投資方針としては,どうでしょうか? 

 

悪い例

分母である平均取得金額が減っていけばYOCは上がります.つまり株価が下落しているということです.

別の言葉で表すと「ナンピン買い」をしていることになります.

 

連続増配株に関して言えば,「ナンピン買い」と「安く仕込む」の区別をするのは困難ですが,資産形成という目的を達成する上では,株価で含み損を抱えている可能性もあります.

 

いくらYoCが高くなったからといっても,含み損をかかえている可能性もあるため,悪い例だと考えます.

 

投資としての理想

連続増配株に長期投資する上で理想的なのは,実はYOCが変化しないか徐々に低下していくことです.

 

増配率と株価の上昇率が同じで,毎年同じ株数を購入していけばYOCは変化しません.

 

YOCが低下するのは,増配率よりも取得価格の上昇率が上回る時ですから,総資産額が増えていることになります.

 

しかしこの場合は得てして,現在価格での配当利回りは低下し割高と感じてしまい,往々にして追加投資を躊躇してしまいます.

 

JNJも配当利回りが3%を超えた時期がありましたが,今は2.5% 程度です.これまで,おおざっぱに平均すると年6〜8%の増配を繰り返しているので,株価はこの割合を上回る上昇をした結果です.

 

ですので現在の配当利回りから株価は割高に感じるかも知れませんが,実は株価が増配率以上に上昇しているためであり,インカムゲインとキャピタルゲインを含めた資産形成という意味では,一番の理想の形なのです.

 

 

ブロガーとしての理想

YOCに関しては,C55が米国株投資を始めたきっかけの一つとなったブログ「配当金を雪だるま式に増やす投資日記」を運営されているgonchan0810さんがすでに2012年に紹介されています.

dividendsnowball.blogspot.jp

 

 

 

 

まとめ

連続増配株への長期投資としてYoCが高くなることは確かにうれしいですし,その効果を実感し,ニンマリするということに激しく同意します.

 

しかし,資産を増やしていくという目的においては,YOCが高くなることがすべてOKではないとういことは心の片隅においておかなければならないと思います.