生活防衛資金 すぐに現金として引き出せますか?
父の葬儀も終わり落ち着いてきたので,ブログを再開します.
前回のブログでは,生活防衛資金は全て現預金でなくても,流動性の高いリスク資産を含んでもいいのでは?との提案をしました.
もう少し掘り下げてみたいと思います.
生活防衛資金
生活防衛資金の位置づけ
防衛資金は,無収入になったとしても生活を継続するために必要な資金です.
これには今後自家用車を買い換える資金であったり,自宅の修繕費,子供の進学にかかる費用などとは別に準備する必要があります.
しかしこれを半年分ならまだしも2年分貯めるのはかなりしんどくないですか?
月収の内,生活費の占める割合はどのくらいですか?
月収の半分としても,2年かかるし,月収の8割程度の生活費がかかっているなら,10年かかってしまいます.
ポートフォリオの一部と考える
生活防衛資金と銘打って多額の現預金を確保するまで投資活動を遅らすぐらいならば,資産運用のポートフォリオの一部として現預金を準備しておけば済む話なのかと思います.
逆に言えば,多くの現預金が貯まったならば,一部をリスク資産への投資に回せばいいのではないでしょうか?
リスクが許容できる状態であれば,リスク資産の割合を増やし,まだ金額が少ない間は現金の比率を高めておくなど.
しかし,その時のポートフォリオとしては流動性が高く,値動きが荒くない安定した資産が求められます.
為替のリスクは確かにありますが,JNJなどの大型株や,S&P500に連動したETFでもいいのでは?
金額は?
現預金の額としては200〜300万円程度でいいのではないでしょうか?
5人家族で生活費の2年分となると1,000万円近くなってしまいます.
高金利の時代ならまだしも,1,000万円もの現金を保有し続けても,全く増えません.
繰り返しになりますが,すぐに必要となる現金は50万円程度です.
自分にもしものことがあって収入がなくなったとしても,保有するリスク資産を売却すればいいですし,ある程度時間が経てば,生命保険や相続などでまとまったお金も入ってきます.
意識不明の状態で寝たきりになったら大変ですが,家族には延命は絶対に拒否することを日頃から伝えていますので,それほど長くはならないでしょう!?
一番重要なこと
今回,父の死を経験して,一番重要だと感じたことは,生活防衛資金は,資金の種類や金額ではなく,「すぐにアクセスできる」必要があるということです.
例え現預金で数百万円あろうとも,数千万円分の株を保有していようとも,億単位の不動産を保有していようとも,引き出す必要がある人が,すぐに引き出せない,換金できないとなれば,これは防衛資金としては適していないということになります.
父は,ネットバンキングはもちろんやっていなかったし,株の売買も電話で行っていました.
入院して,自分で銀行の窓口に行けなくなったとたん,父の名義の口座からは一円たりとも引き出しもできず,株の売買はできなくなりました.
なんとATMも使っていなかったようで,暗証番号を聞き出して出金することもできませんでした.
完全にロックされてしまいました.
そういう意味ではネットバンキングやネット証券はありがたい,IT弱者はつらいですね.
幸いにも母が自分名義の口座で,ある程度の現預金を持っていたので,葬式にかかる急なお金は工面できました.
もし,父が全て自分の口座で資産を管理していて,母名義の口座にお金がなかったら?
実はC55家が,まさにこの状態でした.
C55が資産を管理し,毎月必要な生活費を渡している.妻もパートで働きに出ていますが,収入は知れています.
もし今自分の身に何かがあれば,少しばかりの資産は持っていますが,
だれもアクセスできない.
換金できない,
引き出せない.
坊さんも呼べない!
これでは困りますね.
どうするか?
具体的にはどうするべきか?
C55は妻と3人の子供の5人暮らしなので,妻の名義の口座にも,そこそこの金額の預金を準備しておき,どちらかに有事があっても急な出費に対応できるようにしておこうと思います.
その存在をちゃんと夫婦で共有しておく.でないと,最悪,借金しなければならない事態に陥る可能性もあります.
具体的には
- 生活防衛資産と銘打って,特別に現預金を貯めてはおかない
- 資産運用のポートフォリオの一部として現預金をあてる
- C55,妻,それぞれ200万円ほどの普通預金を確保しておく
- このお金は投資に回したり,生活費には充てない
- それぞれ200万円を超える分は,粛々と高配当株を購入していく