北朝鮮が,グァムに向けてミサイルを発射するとか,しないとか.
米国が,北朝鮮を空爆するとか,しないとか.
報復するとソウルが,火の海になるとか,ならないとか.
北朝鮮を巡る緊張の高まりをうけ,ミサイル防衛に対する報道やニュースも増えています.
イージス艦
SM-3
PAC-3
皆さんも,最近よく耳や目にするのではないでしょうか?
日本のミサイル防衛についてまとめてみます.
ご存じかもしれませんが,本ブログは投資ブログですので,ミリオタのかたの知的欲求を満たせる内容ではありません.
あくまでも投資ブログですので,ご了承くださいますようお願いします.
ミサイル防衛の方法
発射されたミサイルの動きは,3つの段階 (phase)に分かれています.
- ブースト段階:発射後ロケットエンジンが燃焼し,どんどん加速上昇している段階
- ミッドコース段階:大気圏外に到達し惰性運動にて飛行している時期
- ターミナル段階:大気圏内に突入して着弾するまでの時期
日本のミサイル迎撃態勢
日本のミサイル迎撃態勢は,2段構えになっています.
発射されたミサイルの動きのなかで,どの段階で迎撃する態勢になっているのか,簡単に説明します.
ブースト段階
ブースト段階で迎撃するためには,発射を確認して,迎撃ミサイルを発射して,その迎撃ミサイルが目標ミサイルに到達する必要があります.
かかる時間を考慮すると,先制攻撃以外不可能なことは理解できると思います.
あくまでも迎撃(攻撃ではない)ミサイルしか持てない日本では,無理です.
ですので,ブースト段階での迎撃態勢は取られていません.
つまり,2段がまえの迎撃態勢は,その後のミッドコースとターミナル段階を狙った物となっています.
ミッドコース段階
ミッドコース段階での迎撃は,イージス艦に積まれたSM-3が担っています.
ミッドコースでは,最大高度に向けて徐々に速度が遅くなっていくことや,水平移動する時間があるなどの理由で,迎撃ミサイルを当てやすいと言われています.
さらに,大気圏外でミサイルを破壊できれば,それが核弾頭搭載していたり,生物化学兵器を搭載していたりしても,地上への影響は少なくて済みます.
ミッドコース段階での迎撃が一番理想的です.
ターミナル段階
ターミナル段階での迎撃は,PAC-3が担います.
PAC-3は,別名ペトリオットミサイルとも呼ばれ,湾岸戦争の歳に有名になったことを記憶されている方もいるかもしれません.
ちなみにペトリオットとはPatriot(愛国者)の意味で,パトリオットとも表記される場合があります.
PAC-3は地上を移動でき,現在北朝鮮のミサイルが通過するだろうと予告した,広島や高知に移動,配置されています.
愛媛県には通過予告されていないようですが,首相か誰かの忖度によって,PAC-3が配備されました.
問題ですよね!? 民進党さん
PAC-3は,SM-3で迎撃できなかったミサイルを打ち落とす役目を担っていますが,落下してくるミサイルはどんどん速度が増しています.
さらに,迎撃ミサイルをぶつけるには,より正面衝突に近い角度になってしまうため,迎撃は難しくなるようです.
弾頭に核や生物兵器を積んでいた場合,地上への影響は避けられません.
以上の説明を表したのが,下の図です.
日本防衛白書からの抜粋です.
広告 空母いぶき 面白いです まだなら是非 koboもあります
空母いぶき 1-7巻セット【特典:透明ブックカバー巻数分付き】 価格:4,173円 |
日米安全保障協議委員会共同発表
2017年8月17日にワシントンDCで,日米の外務・防衛閣僚による安全保障協議委員会(通称:日米2+2)が行われました.
日本からは,河野外務大臣,小野寺外務大臣,米国らはティラソン国務長官とマッドドッグ マティス国防長官が出席しました.
日米安全保障協議委員会共同発表が出されました.
内容は外務省が公表していますので,興味ある方は下記のリンクからどうぞ.
この共同発表の中で,
「北朝鮮の脅威を抑止するため,同盟としての防衛態勢の強化と能力の向上を図る具体的取り組みを進めていくことで一致した」
との文言が記されています.
具体的取り組み
「防衛態勢の強化と能力の向上を図る具体的取り組み」とは何でしょうか?
イージス・アシュア (Aegis Ashore)
イージス・アショアという言葉を聞いたことがありますか?
C55は今回この記事を書くために,調べている最中に初めて知りました.
イージス(Aegis):楯
アショア(Ashore):陸上の
イージス艦のレーダー機能を陸上に上げたもの言えばわかりやすいと思います.
イージス艦の赤の部分を,
陸に揚げた物.
詳しくは,米国国防省のホームページを参照してください.
https://mda.mil/system/aegis_ashore.html
イージス・アショアの機能
役割としてはイージス艦と同じです.
使用する迎撃ミサイルはSM-3です.
ですので狙いはミッドコース段階,大気圏外での迎撃です.
イージス・アショアのメリット
イージス艦,イージス・アショア,PAC-3とそろえば,2段から3段がまえに増えていいのではと思いましたが,そうでは無いらしいです.
イージス・アショアで用いるのはSM-3なので,迎撃手段が増える訳ではありません.
ではなぜイージス・アショアを導入しようとしているのか?
イージス艦の負担を減らす
現在イージス艦が北朝鮮のミサイル発射対応に当たっています.
24時間態勢での監視が続いていると思います.
当然船ですので,レーダー監視にあたる隊員の他にも,船の運航に携わる隊員の方も厳戒態勢で任務に就かれていることと思います.
さらに一旦航行に出ると,数ヶ月家に帰られないこともあるでしょう.
隊員やそのご家族の精神的,肉体的負担は相当なものであると容易に想像できます.
「お疲れさまです.そして,ありがとうございます」
さらに,尖閣諸島を巡る問題,北方領土を巡る問題などを考慮すると,イージス艦が北朝鮮のミサイルだけにかまっていられません.
日本が保有するイージス艦の数は6隻(2021年度には,「あたご型」が2艦増加され8艦となります)であり,全てを海に囲まれた日本においては,足りないと思います.
だったら増やしたらいい?
高いんです.
1艦あたり5000億円とも言われています.
バフェット(バークシャー)なら,現金で20隻買えますね!?
一方で,イージス・アショアなら1施設 800億円ぐらいと言われています.
船と違って,そのものを移動させるための人員は不要ですし,勤務(任務)が終われば帰宅も可能,もっと言えば,自宅からの通勤も可能です.
自衛隊員の方の負担減につながります.
想定では,イージス・アショアは2個設置すれば十分だそうです
1,600億円です.
イージス艦を追加するに比べたら安い買い物です.
THAADでは駄目なの?
韓国がTHAADを導入するとか,やめるとか,ゴタゴタしてますが,日本ではTHAADは要らない様です.
THAADの迎撃は,ターミナル段階を想定しており,一旦大気圏外にでる日本宛のミサイル迎撃には適していません(核や生物化学兵器のことを考えると,ミッドコースでの迎撃力を強めるべきと思います).
逆に韓国では,北朝鮮からのミサイルは大気圏外に出ることなく,すぐに飛んでくるのでPACー3よりも高精度のTHAADの配備が必要なようです.
さらにTHAADの方が高いので・・・.
○カども達
こいつら頭悪すぎます.
よく見ると,
頭が馬で,体が鹿となっていますね.
全力でdisります.
こんな奴ら ダイキライです.
"bye, bye, bye"
いざとなったら「人間の盾」として頑張ってくれるようです.
投資家が取るべき行動
今回紹介したミサイル防衛に絡んでいる企業をご存じでしょうか?
レイセオン(RTN)です.
一旦導入されれば,メンテナンス,更新などすっとお付き合いが続きます.
堅い!!
"buy, buy,buy"
です.
2017.9.26 追記
PAC-3,THAAD,イージスアショアに関しては,
ロッキード・マーティン(LMT)も絡んでいます.
LMTもオススメです.
今回導入が決まったイージスアショアは
レイセオン+三菱電機
ロッキード・マーティン+富士通
どちらの陣営が落札したのかわかり次第ブログを更新します
まとめ
日本のミサイル防衛について,簡単にまとめてみました.
もっと詳しいことを知りたい方は,ミリオタの方のブログを覗いてください.
米国株投資家としては,
レイセオン(RTN)
ロッキード(LMT)
を購入し,その配当にかかる税金を納めるこことで,国防に貢献しましょう!?
RTNの関連記事
RTNからの配当金です.
トマホーク=レイセオン