バンガード社が運用する超優良ETFである,VT,VTI,VWO.
2017年末には,楽天証券がこれらのETFを投資信託として発売し,日本円で,少額(100円)から,定期的(自動的)に,楽天ポイントを使って購入できるようになりました.2018年から開始された「つみたてNISA」でも,主力の投資信託となっていくと予想されます.
なかでもVTは,「投信ブロガー選ぶ!Fund of the Year」の上位の常連であり,楽天VTは2017年に堂々の一位を獲得しました.
しかしその人気とは裏腹に,全米株式のみに投資するVTIと比較し,VTのパフォーマンスは直近の1年では同等であるものの,5年以上の長期で振り返ってみると,圧倒的に負けています.
世界分散とは聞こえがよいものの,米国株の成長を他の地域で薄めてしまっているだけなのでは?
この結果を受けて,VTを「クソETF」としています.
しかし,この比較は「ある時点で投資し保有していたら数年後にはいくらになっていた」と,シミュレーションした結果を見てのものであり,実際に毎月定額積み立て購入をした結果ではないため,一概にクソETF,クソ投信とは言い切れないと思っています.
ですので,これらの楽天VT,VTI,VWOを毎月一回,定額で積み立てて,本当にVT(楽天VT)はクソなのかを検証します.
目的
- VT, VTI,VWOを毎月定額購入し続けた場合のパフォーマンスを比較し,積み立て投資に適したファンド(投資対象国)を確定する.
- VTと VTI+VWO を比較し,世界分散に米国以外の先進国が及ぼす影響を探る
対象
楽天全世界株式インデクス・ファンド:楽天VT
楽天全米株式インデックス・ファンド:楽天VTI
楽天新興国株式インデックス・ファンド:楽天VWO
方法
毎月15日に各ファンドを1万円ずつ,特定口座で買い付ける.
ボーナス月の増額なし.
分配金は再投資.
2018年1月16日開始
結果(2018年1月31日現在)
まだ2018年1月16日に1回目の買い付けを行っただけですので,何も言えません.
全世界(VT)
全米(VTI)
新興国(VWO)
時価評価額比較
損益率比較
まだ1回しか購入していないうえ,時間経過も僅か半月.
このグラフを示す意義はないかもしれません.
しかし,一のつ教訓として「恣意的なグラフ」について考えてみます.
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恣意的なグラフ
各投信の評価額や損益率をグラフ化すると,一見VTのパフォーマンスが悪く,VWOがすごくいい感じに映るかもしれません.
でも,その評価額や損益の%を確認すると,実際の差はごく僅かであることがわかります.実際にVTとVWOの間には,価格差では 140円,率では1.4%しかありません.
軸の目盛りをいじったり,グラフの縮尺を変えたり,一部分を切り取ったり.発信者にとって都合のいいような印象を与えるために,グラフが用いられる事があります.
新聞やニュース番組でも時々見かけることがあります.
次の写真は,
イジハピ! : 【第644回】グラフにするとかえって分かりにくくなる
が紹介している「恣意的なグラフ」です.
「目立つ”若い世代”の不祥事」のタイトルで,世代別に懲戒処分になった人数を円グラフで示し報道しています.
安藤さんも深刻そうな顔をしていますね.
その円グラフを見てみてみましょう!
確かに10〜20代の懲戒処分者数は97人もいて,”若い世代” の不祥事が ”目立つ”.
これは大問題ですよね〜
もう一度よ〜く見てみましょう.
おかしな点がいくつかあります.皆さんは何個気がつきますか?
- 円グラフの中心がずれている
- 人数と円グラフの面積が比例していない
- 30,40,50代は10年ごとなのに10-20代は20年
確かに,”若い世代” の不祥事が ”目立つ” ですが,これは恣意的に目立たせているだけです.
この円グラフをちゃんと作り直すとすると,結論は若い世代の不祥事は他の世代と比べて少なく,50代の不祥事が多い,との結論となるハズです.
こいうのを偏向報道,
もしくはフェイク・ニュースと呼ぶんだと思います.
ぱっと見た印象で判断するのではなく,軸の単位や目盛りの幅など,しっかりと確認するようにしなければなりません.
考察
楽天VT,VTI,VWOの積み立てを始めたばかりで,参考になりませんね.
グラフの見せ方によっては,ちょっとの差を大きく見せることができてしまうので,視覚的な印象だけでなく,しっかりと目盛りや数字を確認していきたいと思います.
今後も積み立ての経過を報告していきます.