高配当利回りと毎月分配が魅力の優先株ETF(PFF)から今月も分配金を頂きました.
配当重視の投資方針と,個人企画「勝手にころがる雪だるま」のため大変重要な銘柄となっています.
2017年も終わりに近づき,2018年の一般NISAの戦略を考える中で,PFFをNISA口座で保有するメリットがあるのか? という疑問がわいてきましたので考察します.
PFFからの分配金
企画「勝手にころがる雪だるま」と,妻のNISA口座のスキマ埋めのため少しずつPFFを買い増ししています.
現在C55家で保有するPFFは
株数 540株(NISA,特定合わせて)
一株あたり 0.19085ドル
合計 83.34ドル
前回10月の分配金は 0.17509ドルだったので少し増えていますね.
PFFの特徴
- 高配当利回り
- 株価の変動が少ない
高配当利回り
分配金の推移には少しの変動がありますが,だいたい5.5〜5.8%の利回りで推移しています.
株価の変動が少ない
株価の変動をみる数字としてβ(ベータ)値があります.
株価指数と比較してどれくらいの株価変動があるかを示す値です.
PFFの 3年のβ値は,0.76
株価指数の70%程度しか値動きがない,価格変動が少ない銘柄です.
直近5年のチャートを示しますが,0.76というβ値にふさわしく,マッタリとした株価推移となっています.
PFFをNISAで買うメリット
高配当で価格変動が少ないという特徴をもったPFFを,配当と譲渡益にかかる税金が免税されるNISAでもつと,どれくらいのメリットがあるのでしょうか?
分配金にかかる税金のメリット
分配金にかかる税金のメリットを計算します.
わかりやすく計算するため,下記のように設定します.為替変動の影響を無視するため,あえて円で計算します.
配当利回り 6%
買付金額 120万円(NISA枠上限)
分配金:120万円 × 6% = 7.2万円
PFFは米国で上場しているので,分配金の10%が現地源泉徴収されます.
7.2万 × 0.9 = 6.48万円
NISA口座で保有していれば,
6.48万円
もしPFFを特定口座で保有していたら,国内での税金が 20%(簡単にするため復興税を除いています)引かれるので,
6.48万 × 0.8 = 5.184万円
特定口座で1保有していれば,
5.184万円
この差額
6.48万 - 5.184万 = 1.296万円
1万2960円がNISA口座で保有するメリットとなります.
ロールオーバーをして最長10年の免税期間を全うしたならば,
12.96万円のメリットです.
譲渡益にかかる税金のメリット
金融危機などがおこってPFFの株価が下落する可能性はあっても,逆にPFFの株価が大きく上昇していく可能性はかなり低いと思います.
上に示したチャートでも,株価は38〜41ドルの間に収まっていて,上下動の率としては10%程度です.
もしこのボックス下限で拾って上限で売却できたとすると,
120万 × 10% = 12万円
NISAであればこの12万円には税金がかからないので
12万円
特定口座であれば20%の税金が引かれ
9.6万円
差額 2.4万円がNISAのメリットとなります.
分配金にかかる税金と譲渡益にかかる税金を計算すると,PFFをNISA口座で保有したときの免税メリットの最大値は
15.36万円
と見積もられます
無配株ならば?
Amazonのように配当を出さない株をNISAで保有したらどうなるでしょうか?
株価上昇による譲渡益だけで,PFFで見積もられる15万円の免税メリットを享受するには?
x円の20% = 15万円
x = 75万円
75万円の株価上昇があれば,PFFを保有したときと同額になります.
株価上昇率として 63%
10年間で株価が1.6倍以上になっているならば,PFFに勝つことができます.
将来はわかりませんが,C55が保有するALIBABA(BABA)は1年ちょっとで60%上昇していますし,JNJは配当をだしながら3年で50%以上,上昇しています.
PFFに勝つのは不可能ではない,いやそれ以上のリターンが得られるかもしれません.
まとめ
PFFをNISAで保有した場合,10年間で最大15万円程度の免税メリットを享受できると見積もれます.
この額は,無配株をNISAで保有した場合,株価が 1.6倍に上昇したときに匹敵します.
リスクを少なくし手堅く運用するなら,NISAでPFFを保有するするのも有りです.
10年という期間を考えるなら,株価が1.6倍になる銘柄は結構あると思うので,2018年のNISAではPFFではなく他の銘柄を選びます(「勝手にころがる雪だるま」企画ぶんは除きます).