2018年から「つみたてNISA」が始まりまりました.
金融庁肝いりの施策ともあって,とても魅力的な投資信託が次々と登場しています.
2018年は一般NISAの選択も可能で,一般NISAにするのか,つみたてNISAにするのか,悩まれている方も多いのでは?
C55は,2018年も一般NISAを選択しましたので,その理由を述べたいと思います.
(注:「つみたてNISA」の名称はひらがな表示で決定ですが,現行NISAに関しては決まった呼び名がまだ無い状態です.楽天証券で取引しているので楽天証券での呼び方「一般NISA」を使います)
一般NISAを選択する理由
1年あたりの非課税投資枠が大きい
1年間あたりの投資枠は
一般NISA 120万円
つみたてNISA 40万円
夫婦であれば年間 240万円もの非課税投資枠が与えられます.
とはいっても,この240万円分の投資枠を使い切るのは大変です.
一ヶ月あたり,20万円ですから・・・.
毎月どこからか振り込まれる配当,給与からの新規投資などをフルに投入する必要があります.
新規で120万円,夫婦で240万円の新規投資を行うことは難しいかもしれませんが,保有する株などの商品を一旦売却し,NISAで再投資すれば,不可能な額ではないと思います.
どのような方法でもかまいませんが,
投資資金を確保できるのであれば,まず選択すべきは一般NISAであると思います.
但し,一点だけ非課税投資枠に関しての注意があります.
総非課税投資枠は,
一般NISA 600 万円(120万円×5年)
つみたてNISA 800 万円(40万円×20年)
総非課税投資枠は,つみたてNISAの方が大きいです.
一般NISAに期限がある
2014年から一般NISAが開始されました.
金融庁のホームページでの表現では,2023年にて一般NISAの新規購入は終了.2023年に購入した分に関しては,2027年末まで非課税で保有することができます.と記載されています.
この文言から以下のように言い換えることができます.
- 2023年購入分は,5年後の2028年に「ロールオーバーできない」
- 一般NISAでの最長非課税期間10年を最大限に利用できるのは,2018年までに投資した分を,平成35年(2023年)までにロールオーバーした場合のみである.
どういうことか例を挙げて考えてみます.
例1)
平成30年(2018年)に一般NISAで購入した分は,平成34年(2022年)末に非課税期間が終了.
平成35年(2023年)に,ロールオーバーか,課税口座へ移行か,売却かの選択をする.
ロールオーバーを選択すると,さらに5年間の非課税期間が確保され,最長10年の非課税期間を享受できる.
例2)
平成31年(2019年)に一般NISAで購入した分は,平成35年(2023年)末に非課税期間が終了.
2024年には,一般NISAは終了している予定なので,課税口座への移行,売却かの選択になります,
つまりロールオーバーできず,非課税期間は5年しか得られない.
まとめると,
- 一般NISAで新規購入とロールオーバーができるのは平成35年(2024年)まで
- 10年の最長非課税期間が得られるのは,平成30年(2018年)投資分まで
このように考えているので,2018年も一般NISAを選択します.
(注:平成35年は存在しない予定です.元号変更の可能性があるので公式文書は西暦表示すべきと思います)
一般NISAのロールオーバーについての記事です.
一般NISAの最長10年の非課税期間を利用したいならば,2018年投資分が最後です.
株やETFに投資できる
「つみたてNISA」は,投資の裾野を広げる目的が大きいです.投資初心者でも安全に,低コストで運用を開始できるように金融庁自ら投資可能商品を選定しています.
投資可能商品は投資信託がメインとなり,個別株やETFには投資できません.
<2018.6.26 修正・追記>
制度上ETFには投資可能です.
どのETFが対象になるかは,各証券会社によって様々ですので,お調べください.
「つみたてNISA」に合わせて,S&P 500に連動した投信,世界的にも優良なETFであるVTIを日本円で買えるようにした楽天VTIなどが発売されています.
銘柄選択の手間や,個別企業の倒産や業績悪化などによる株価低迷などのリスクを抑えてキャピタルゲインが期待できる,素晴らしい商品に投資ができるようになったのは大きな進歩です.
一昔前の「たこ配毎月分配」や「バカ高い信託報酬」といったクソ投資信託は今後駆逐されていくものと思います.
しかし,個別株(ETF)への投資のメリットは捨てられません.
現在の投資目標は「配当金で月10万円」ですので,投資信託への投資では時間がかかりすぎます.
この投資目標を達成するには,やはり高配当・連続増配株への投資が必要となります.
配当収入を増やすことを投資目標にしているならば,まずは一般NISAを使い切ることを選択した方が良いと思います.
つみたてNISAではスポット購入できない
つみたてNISAでは,その名の通り「つみたて」での購入が原則となります.
「毎月決まった日に」「年2回ボーナス月に」など定期積み立てが前提です.
株価調整などで価格が下がったから,臨時収入がはいったから,追加購入するということができません(ドルコスト平均法による長期積み立てにおいて,スポット購入が全体に与える影響は少ないとは思いますが・・・)
このあたりは,つみたての条件を一時的に変更すれば解決できそうな気がするので,つみたてNISAのデメリットというほどのものではないと思います.
一般NISAの期間延長・恒久化
これは希望,願望になります.
NISAのモデルとなった英国のISAも,当初は期間が設定されていましたが,途中で恒久化されました.
日本でもひょっとして・・・
つみたてNISAが誕生したので,実現の可能性は低くなってしまいました.
まとめ
以下の理由で,2018年は現行,一般,通常NISAを選択しました.
- 投資資金を確保できる
- 120万円,10年間の非課税期間が欲しい
- 配当重視の投資方針
この条件にどちらか一つ当てはまるなら,2018年はつみたてNISAより一般NISAを選択したほうが良いと思います.
NISAに関連した記事です.
ロールオーバーについて重要内容です.
2014年投資分のロールオーバーの手続きが開始されています.
手続きしないと自動的に課税口座への移管となりますのでご注意ください.
楽天証券を使っているかたは注意が必要です.